第37回表面分析研究会(6月20−21日)でのWG活動について
SASJ WG担当
永富隆清(大阪大学)
前回の研究会では,WG活動をSASJ設立の目的である標準化活動や人材育成の場として発展させるべく,WG討議中心のプログラムを組みました. 今回も前回と引き続き,WG討議に力を入れた研究会とするべく準備を進めております. 以下,当日の各WGの討議内容の概要をまとめていますので,ご確認の上,是非積極的に討議へご参加いただければと思います.
なお,WG活動の趣旨等については,第36回研究会に説明がございますのでそちらをご覧ください.
- ◆DP-WG
- 深さ分析WGでは,現在,高深さ分解能・高感度スパッタ深さ分析を実用レベルで実現することを目的とした活動を行っています. そのために,まず基本となる,イオンビームのアライメント方法について検討を行っています.
次回のWG討議では,以下を予定しています.
1. イオンビームアライメントの実施結果(進捗)
2. イオンビームアライメントのRRTのレシピ
3. 実用分析における界面位置や膜厚の決定法に対する要望
- ◆ToF-SIMS WG
- ToF-SIMS WGでは現在発足当時からのテーマである表面に存在する化学種の同定に必要な質量校正手順の標準化を目指し, これまで共有化してきたナレッジのまとめとしてのラウンドロビンテストを行っています.
今回の研究会におけるWG討議では以下を予定しています.
1. 上記ラウンドロビンテストの進捗
2. 論文紹介(Surf. Interface Anal. 2010, 42, 129-138の関連文献紹介)
3. 質量校正に続くテーマの検討
- ◆XPS
- XPS-WGでは酸化銀粉末のXPSピークのケミカルシフトを題材に,試料損傷,測定装置,試料の前処理と固定方法といった測定上の課題出しと その解決を目指して活動を行なっています. また,新規テーマとして「深さ方向分析における化学状態分析」について討議する予定です.
次回のWG討議では,以下を予定しています.
1. 酸化銀粉末のXPSピークについてこれまでの活動のまとめと残り課題の整理,今後の予定
2. 「深さ方向分析における化学状態分析」についての課題抽出
3. 課題解決に向けた取組の計画(アンケート,ラウンドロビン等)
- ◆Background WG
- バックグラウンドプロジェクトの発展系として「オージェ電子絶対量計測」目指して,新たにWG活動を立ち上げました. 絶対量計測とは何か?計測と理論計算の両面から,オージェ電子,二次電子,弾性散乱ピーク, エネルギー損失ピークの 絶対量計測に迫りたいと考えます. 幸いにして,後藤先生の絶対AESスペクトルがありますので(上記の全ての情報を含んでいます), このデータの読み方・使い方,自分のデータとの比較,理論計算との比較から始めたいと思います.
WG 発足にあたり,新たな気持ちで「表面電子分光法の絶対計測の夢」を追いかけたいと思います.
1. 話題提供:絶対スペクトル計測および弾性散乱分光の計算
:後藤,田沼が今研究会で講演しますので,WGでの議論はありません.
2. スペクトル測定結果の解釈に関するフリートーキング
担当者:福島,田中,後藤