会長就任のごあいさつ
第5代会長 永富 隆清(旭化成株式会社)
2014年2月に開催された表面分析研究会の幹事会において第5代会長に選任され、4月1日より会長に就任することになりました。吉原一紘初代会長に始まり、一村信吾元会長、田沼繁夫元会長、そして柳内克昭前会長と、産官において表面分析技術の発展に多大な貢献をされてきた歴代会長の跡を継いで就任することに、非常に重い責任を感じております。それと同時に、これまでの会員各位の活発な活動によって、表面化学分析の国際標準化に関して日本を代表する活動組織として国際的にも認知されている表面分析研究会を誇りに思う気持ちが非常に強くなりました。
私が学生であった20年前に比べて表面分析装置も著しく高度化し、表面分析に関する知識や経験がなくとも測定できる時代となりました。これに伴って装置や解析ソフトウェアのブラックボックス化も進んでいます。現在研究会では、こういったブラックボックス化に危機を感じ、また各人の技術や知識を向上すべく、高い志を持って活発に活動している若手の会員が増えています。このような世代交代を見ながら、日本の表面分析技術には明るい未来があると確信するようになりました。
表面分析研究会には業種や世代を越え、熱く議論しあえる風土が培われています。温故知新と言われるように、表面分析技術の黎明期から携わってこられた方々の知恵を伝えつつ、若い世代の力溢れる議論も巻き込みながら、国内の学術団体にも、海外の団体にも真似のできない、日本の表面分析研究会ならではの本当の実用表面分析技術の確立を目指していきたいと考えています。私のように学を経験した上で産も経験している人は殆どおらず、日々実用分析に関わりながら、表面分析研究会に対して私の経歴ならではの貢献ができないかと考えています。またこれが、今回会長を仰せつかった理由の一つでもあると思っています。そのためにも、これまでの研究会にはなかった体制や取り組み、企画を創り出し、若い人たちが活き活きと活動し、世界へ打ってでられる環境を整えていきたいと考えています。
まだ若輩者でもあり、以下のような力強い新体制のもと,多くの皆様らからのご支援をいただきながら活動を開始いたします。表面分析研究会が設立されて2015年で20年が経過し、設立当時を知る会員は運営諮問委員を除いて殆どいない状況となりました。逆にこれを機会に、会員の皆様からのご協力をいただきながら、これまでの伝統を継承しつつ新たな視点で活動を見直すことで、夢と希望にあふれた新しい研究会に育てていきたいと思っております。そのためにも、会員の皆様には、これまで以上のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。